安倍氏国葬で話題 山県有朋とはどんな人? 伊藤博文との関係とは?

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 令和4年9月27日、安倍元首相の国葬儀が行われました。その中で、特に話題になったのが、菅元首相の弔辞の中で安倍元首相が最後に読んでいた本が岡義武氏の「山縣有朋」という本で、その内容に絡めた弔辞です。
 感動的な弔辞の締めの部分として使われた「山県有朋」はどういった人物なのか、簡単に解説します。

何をした人?

 山縣有朋は1838年に長州藩(山口県)出身の、幕末、明治・大正に活躍した政治家です。松下村塾出身で倒幕運動で活躍した後、第3代、第9代内閣総理大臣を務めた近代日本の礎を築いた人物です。
 倒幕後、ヨーロッパを視察し近代軍政を学び、日本に徴兵制を導入しました。日本の「お侍」を「軍人」に変えたと言われており、「日本陸軍の父」とも呼ばれています。
 伊藤博文との関係性は山県は第1次伊藤内閣(1885年)で内務大臣、第2次伊藤内閣(1898年)では司法大臣を務め、個人的にも親しい盟友でした。
 2人の共通点は、同じ長州藩出身で、松下村塾出身だったことです。

菅元首相の弔辞

今回話題になったのは、山県有朋が伊藤博文が暗殺されたときに詠んだとされる歌です。
話題になった菅元首相の弔辞の一部を抜粋します。

衆議院第1議員会館、1212号室の、あなたの机には、読みかけの本が1冊、ありました。岡義武著「山県有朋」です。ここまで読んだ、という、最後のページは、端を折ってありました。そしてそのページには、マーカーペンで、線を引いたところがありました。印をつけた箇所にあったのは、いみじくも、山県有朋が、長年の盟友、伊藤博文に先立たれ、故人を偲んで詠んだ歌でありました。総理、いま、この歌くらい、私自身の思いをよく詠んだ一首はありません。

かたりあひて尽しゝ人は先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ

かたりあひて尽しゝ人は先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ

深い哀しみと、寂しさを覚えます。総理、本当に、ありがとうございました。どうか安らかに、お休みください

この歌を現代語に直すと、
語り合いながら国のために尽くしてきた人は、私より先に亡くなってしまった。我々はこれから先の世の中をどのように治めていけばよいのだろうか。
というような意味です。

国のために尽力して暗殺された伊藤博文と安倍元首相を重ねた弔辞です。


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